ホッとスペースのお便り |
2018-05-27 Sun 09:00
会報70号 「ホッとスペースのお便り」
藤井さんからのお手紙の一部を、ご本人の了承を得て、掲載させていただきます。 まだ「ベーテルひろば」をご存じでない方にお知らせしたく、この場を借りました。 ベーテルひろばが、扉をたたく方どなたにも等しく公平に、のんびり、くつろげる「居場所」であって欲しい。 藤井さんのお手紙に、想いを新たにいたしました。 (記 森木美佐子) 私と息子はどれ程の愛を頂いたことでしょうか、 私と息子はどれほどのまなざしを頂いたことでしょうか 初めてベーテルの扉を開いたその日から、私たち親子に日本での居場所が出来ました。 「日本には児童館があるから」と聞いて訪れてみたものの、既に出来上がった輪のような中に入ってゆくことは私にとって「頑張って」「準備をして」出掛けることで決して楽しいことではありませんでした。 息子のために居場所を作らなくてはと気負うものでした。ところがベーテルは全く違ったのです。 初めてのその日、シンガポールから東京に移ったと話した私に、とても楽しそうに色々と話しかけて下さった光さんと美佐子さん。忘れることはできません。おかしな言い方になりますが、私は受け身でいるだけでよかった。頑張らなくてよかったのです。 お二方のおかげで、スタッフの方が話しかけて下さり、周りの方が話しかけて下さり…。 ベーテルには、開かれた輪がありました。 子どもが寝ないことから寝不足になり、悪いことしか考えられない私に「こんなことができるから大丈夫」、 「こんなことも言えた。発達に問題ないよ」。日々の声掛けに私はいつも助けられ、救われていました。 地元の病院にかかり発達障害は見つからなかったと報告したら「ほらね、そんなわけないと言ったでしょう」と笑って下さった。 「寝ないだけが問題」ということは小児科の先生にも理解を得られず、私は本当に追いつめられていました。 真剣に悩んでいた私と同じだけご心配下さった。息子のことも私のこともです。 「今日は人が少ないから上で少しでも寝ておいで」と言って寝かせて下さったこともあった。 優しさとその愛情に私は2階で一人で泣きました。 ベーテルに毎日のように通わせて頂いても、毎日「今日は寝られた?」と気にかけて声をかけて下さる。 寝不足のピークだった私にさずけられた「私の時間」でした。 帰り際にかけられた「またいつでもどうぞ」の言葉には確かに血が通っていました。 本当に、いつでも行っていいのだと思えた。 間を開けずに、息子のためではなく、私が行きたくて訪れられる私の居場所。どれ程ありがたかったでしょうか。どれ程細やかに見守っていただいたことでしょう。 息子はベーテルで育てて頂きました。息子はベーテルが大大大好きな子に育ちました。たった一年でしたが、たくさんのお声がけを頂いたおかげで、私も息子がどれ程成長したかを実感しています。私と息子は本当に幸せなベーテルの子でした。 藤井加奈江 スポンサーサイト
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